「神経はできるだけ残したほうがいい?」—神経を取る・残す治療の違いを歯医者が解説します
投稿日:2025年6月8日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは いぬい歯科クリニック 院長の乾です!
「虫歯が深くて神経を取る必要があります」
そう言われた経験のある方も多いのではないでしょうか?
一方で最近は「なるべく神経を残しましょう」と言う歯科医院も増えています。
では、神経を取る治療と、神経を残す治療では何が違うのでしょうか?
どちらが良い・悪いではなく、それぞれの特徴やリスクを理解することが大切です。
今回は、できるだけわかりやすくお話していきます。
【① 神経(歯髄)を取る治療とは】
虫歯が歯の深い部分まで進行し、神経まで達すると、抜髄(ばつずい)=神経を取る治療が必要になります。
▶こんなときに行います
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虫歯が神経に達していて、強い痛みや炎症がある
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細菌感染が広がってしまっている
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歯の破折などで神経が露出・壊死している
▶治療の流れ(根管治療)
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神経を取り除く
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歯の根の中をきれいに洗浄・消毒
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薬で密封し、土台を立てて被せ物を装着
▶メリット
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痛みの原因を取り除ける
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感染が広がるのを防げる
▶デメリット
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歯がもろくなりやすい
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治療後も再感染やトラブルのリスクがある
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「噛んだ感覚」が鈍くなる(生活歯に比べて)
【② 神経を残す治療とは?】
進行した虫歯でも、条件が合えば**神経を残す治療(生活歯髄療法)**が選択できる場合があります。
最近ではMTAセメントという特殊な材料を使うことで、従来よりも神経を保存できるケースが増えました。
▶こんなときに可能性があります
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虫歯は深いけれど、神経がまだ生きている
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出血がコントロールできる
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感染が神経まで到達していない
▶治療法の例
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間接覆髄法(虫歯の近くで止める)
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直接覆髄法(神経が露出した部分をMTAなどで保護)
▶メリット
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歯の寿命を伸ばせる
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感覚が残り、天然歯に近い状態を維持できる
▶デメリット
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成功率に個人差あり
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費用が自費になることが多い
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成功しなかった場合は結局抜髄が必要
【③ 「残せる」かどうかは診断が重要】
神経を残すかどうかは、
✅レントゲン・CT画像
✅出血や感染の状態
✅患者さんの年齢・症状の程度
などを総合的に判断します。
無理に残しても、後から強い痛みや再治療につながることもあるため、当院では慎重に判断しています。
【④ 当院の考え方】
当院では、基本的に「神経を残せる可能性があるなら、まず検討する」方針をとっています。
特に前歯や若い患者さんでは、神経を残すことのメリットが大きいためです。
ただし、
「残すことで再治療になりそう」
「患者さんの生活背景から抜髄の方が負担が少ない」
といった場合には、無理に残すことはせず、納得のいく選択を一緒に考えていきます。
【まとめ】
神経を取るか、残すか。どちらが正解というわけではありません。
大切なのは「どんな状態かをきちんと診断し、患者さんと一緒に方針を決めること」です。
当院では、神経を残す可能性があるかどうか、まず丁寧に診査します。
気になる症状があれば、早めの相談がおすすめです。
📍いぬい歯科クリニック
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