乳歯がすきっ歯でも大丈夫? 将来の歯並びと咀嚼の関係とは
投稿日:2025年6月12日
カテゴリ:院長ブログ
いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
「子どもの前歯がすきっ歯なんですけど、歯並び大丈夫ですか?」
当院でもよくいただくご相談です。
一見“歯並びが悪い”ように見えるこの状態、
実は、乳歯期においてはとても良いサインなんです。
【1. 乳歯のすきっ歯は“発育の証”】
乳歯は永久歯よりも小さく、
将来大きな永久歯が生えてくるスペースをあらかじめ空けるため、
すきっ歯(=空隙歯列)になるのが正常な発育パターンです。
特に前歯の間にある隙間は「発育空隙」「霊長空隙」と呼ばれ、
永久歯が自然にまっすぐ並ぶための大切なスペースになります。
🟢 隙間がある=顎の発育が順調
🟢 成長とともに自然と埋まっていく
🟢 歯並びが良くなる“準備期間”です
【2. 要注意なのは“隙間ゼロ”の歯並び】
逆に、乳歯がきれいに並びすぎている状態の方が注意が必要です。
それは一見整って見えても…
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顎が十分に育っていない可能性がある
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永久歯が生えてくるスペースが足りない
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将来的にガタガタ歯並び(叢生)の原因になる
つまり、“今きれい”だからといって安心とは限らないのです。
【3. 顎の発育には“噛むこと”が必要不可欠】
顎の骨はしっかり噛むことで発育していきます。
現代では、柔らかい食事や食べ方のクセによって、
噛む力が育ちにくい環境にある子が増えています。
例えば、以下のような工夫で咀嚼力を高めることができます:
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スルメ、干し芋、煮干しなど“歯ごたえ”のあるおやつ
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硬めの野菜スティック(人参・ごぼう)など
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足がしっかりつくイスを使い、体幹を安定させて食べる
しっかり噛む習慣があることで、
将来的な歯並びの安定や正しい舌・呼吸の発達にもつながります。
【4. すきっ歯でも“気をつけたい”ケース】
以下のような場合は、早めのチェックが必要なこともあります:
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すき間が広すぎる(永久歯が迷う可能性)
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上唇小帯(前歯の中央の筋)が太く、隙間が閉じない
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舌癖・口呼吸・指しゃぶりなどの習慣がある
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遺伝的に歯の本数が少ない/顎が小さい
👉 必ずしも“治療が必要”というわけではありませんが、
定期的に成長の様子を見ていくことで、
将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
【5. 当院では「育てる歯並び」のサポートを行っています】
当院では、次のような取り組みを行っています:
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0歳からの歯みがき・食習慣相談会(毎月1日開催)
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3歳以降の咀嚼チェック・姿勢アドバイス
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必要に応じて MFT(口腔筋機能療法)や顎顔面矯正 のご提案
大切なのは、「異常が出てから治す」よりも、
将来に向けて“育てる”ことを意識した早めの取り組みです。
【まとめ】
乳歯のすきっ歯は、心配どころか理想的な発育の証です。
ただし、「しっかり噛む」「正しい姿勢・呼吸・舌の動き」を育てていくことが、
将来のきれいな歯並びに大きく関わります。
「うちの子、このままで大丈夫かな…?」
そう思ったときは、いつでもご相談ください😊
歯並びは、“今の習慣”から未来をつくるものです。
📍いぬい歯科クリニック
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