診査診断のセミナーに参加して来ました
投稿日:2026年1月24日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは 吹田 いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
2025年の4月からCSTPCというセミナーに参加させてもらっています。
セカンドオピニオンで歯科を受診された患者さんから、
「この歯はもう膿んでいるので、抜歯しかありません。」と言われたけどなんとか残せませんか?という要望をよく聞きます。
しかもその多くが、
数年前に入れた被せ物や、
「ちゃんと治したはず」の歯だったりします。
確かに、その歯だけを見れば
「抜歯しかない」という診断は正しいことも多い。
でも私は、そこに強い違和感を覚えるようになりました。
なぜ“治した歯”が、すぐダメになるのか?
セカンドオピニオンで来られる患者さんを診ていて、
ある共通点に気づきました。
それは、
・その歯「だけ」を見て治療している
・口の中全体のバランスを見ていない
というケースが、圧倒的に多いということです。
つまり、
「木を見て森を見ない診療」が、あまりにも多い。

確かに、
膿んでいる歯は治療すれば一旦は治ります。
でも実際には、
-
かみ合わせが崩れている
-
力のかかり方が異常
-
他の歯もすでに限界に近い
-
歯周病や細菌環境が悪い
こうした“背景”を放置したまま
1本だけを完璧に治しても、
結局そこに無理な力や炎症が集中して、
また同じことが起こるのです。
CSTPCで学んだ「診査診断の本質」
私が今受講している
CSTPC(診査診断・治療計画・カウンセリングを体系的に学ぶコース)は、
この違和感をはっきり言語化してくれました。
このコースの講師は
木原敏裕先生。
臨床哲学と診断力で
多くの歯科医師が尊敬する指導者です。
また、補綴・咬合設計の分野では
トップレベルの技工所である
ファイン(FINE)の思想もベースになっています。
ここで徹底的に叩き込まれるのが、
次の4つの視点です。
E・F・S・Bとは何か?
● E:エステティック(審美)
見た目・歯並び・スマイルライン。
これは単なる「美容」ではなく、
清掃性やかみ合わせにも直結します。
● F:ファンクション(機能)
ちゃんと噛めているか。
どこか一部の歯に
異常な力が集中していないか。
ここが崩れると、
どんな高額な被せ物でも壊れます。
● S:ストラクチャー(構造)
歯の残っている量、
神経の状態、
骨の量。
土台が弱いまま
立派な建物を建てても、
長持ちしないのと同じです。
● B:バイオロジー(生物学)
虫歯菌・歯周病菌・唾液・生活習慣。
ここを無視した治療は、
ほぼ確実に再発します。

私自身、診断が大きく変わりました
正直に言うと、
このコースを受ける前の私は、
「悪いところを治す」
という診療を、
無意識に当たり前のようにやっていました。
でも今は、
歯医者の選び方そのものが、人生を左右する
と本気で思っています。
-
なぜ、こうなったのか?
-
どの順番で崩れてきたのか?
-
このままだと、5年後どうなるのか?
-
本人は、どういう口の中で生きていきたいのか?
ここまで考えないと、
治療を始めてはいけないとすら思うようになりました。
実は、ほとんどが「医原性疾患」かもしれない
かなり厳しい言い方になりますが、
私は今こう感じています。
「良かれと思ってやってきた治療が、
かえって口の中を悪くしているケースが、
想像以上に多い。」
これを医原性疾患と呼びます。
これは「医療ミス」という意味ではなく、
治療の設計や考え方そのものが原因で、
結果的に状態を悪化させてしまうことを指します。
特に保険診療は、
5年程度でやり替えが必要になる設計のものがほとんどです。
でも多くの歯医者は、
-
それを前提として説明していない
-
その“先の崩壊”まで設計していない
結果として、
患者さんの口の中は
治療するたびに、
少しずつ壊れていきます。

私が今、いちばん大切にしていること
それは、
「この治療は、10年後に安定しているか?」
この問いから、すべてを逆算することです。
E・F・S・Bがそろって初めて、
“長期的に安定する治療”になります。
最後に
もしあなたが、
-
治療を何度もやり直している
-
自費で治した歯がすぐ悪くなった
-
抜歯しかないと言われて不安になった
-
今の治療方針にモヤモヤしている
そう感じているなら、
一度セカンドオピニオンで歯科を受診する
という選択は、決して間違いではありません。
それは、
「歯医者の選び方」を
見直すきっかけにもなります。
不安を持っている方や、
気になることがある方は、
どうぞお気軽にご相談ください。
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