虫歯は自然に治るの? “様子見OK”と“早く治療すべき”の違いを歯科医が徹底解説
投稿日:2025年6月26日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
「小さい虫歯なら放っておいても治るんですよね?」
診療室でよくいただく質問です。答えはシンプル。
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C0(ごく初期) … 唯一、再石灰化で自然修復が期待できる
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C1 以降 … 放置すると必ず進行し、自然には治らない
そこで今回は、虫歯の進行段階と「治療 or 様子見」の判断基準、さらに 高濃度フッ素が担う大きな役割 をわかりやすくまとめました。
1. C0 段階だけが“自然治癒(再石灰化)”のチャンス
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C0=白濁が見えるものの穴は開いていない状態
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唾液・フッ素・正しいケアで“再石灰化”が起こり、表面が元に戻る可能性がある
🔑 フッ素ケアは“濃度”が決め手!
フッ素製品 | 濃度目安 | 入手先・使い分け |
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市販歯みがき粉 | 1,000〜1,450 ppm | 毎日のベースケア |
歯科医院専売ジェル | 1,450〜5,000 ppm | 初期虫歯・リスク高の方に夜だけ使用 |
フッ素バーニッシュ塗布 | 約 9,000 ppm | 歯科医院でのみ施術。年2〜4回で効果長持ち |
ポイント
自宅では 1,450 ppm 以上を“2 cm” 乗せるのが現行推奨量。
5,000 ppm ジェル+バーニッシュ(歯科専用)を併用すると、C0 の再石灰化率が大幅アップ。
2. C1 以降は“放置NG”──進行すれば治療が重くなる
進行度 | 症状と特徴 | 推奨対応 |
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C1 | エナメル質に小さな穴 | 経過観察 or 最小限充填 |
C2 | 象牙質に到達、しみる | 削って詰め物 |
C3 | 神経まで感染、強い痛み | 根管治療+被せ物 |
C4 | 歯冠崩壊・根だけ残存 | 抜歯 or 大掛かりな補綴 |
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C2→C3 に進むと治療回数・費用が跳ね上がる
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神経を取った歯は脆くなり、破折→抜歯→ブリッジ/インプラント へ発展しやすい
3. 当院の“治療 or 様子見”判断基準
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マイクロスコープ+カリエス検知液 で病変の深さを正確評価
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C0〜小さめ C1 ならまずは 高濃度フッ素+生活指導で経過観察
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甘味摂取頻度が高い・磨き残しが多い場合は 早めに最小限治療 で進行をブロック
4. 先延ばしは「時間・費用・歯の寿命」すべてを削る
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小さな充填で済むはずの虫歯が、放置で 根管治療+被せ物(治療費数倍) になることも
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大切なのは 「小さいうちに発見」「小さいうちに対処」
まとめ
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自然治癒が期待できるのは C0 だけ
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C1 以降は進行性──放置すれば確実に悪化
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高濃度フッ素(1,450〜5,000 ppm+バーニッシュ) が C0 管理のカギ
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定期検診で早期発見・早期最小限治療 が、歯とお財布を守る最短ルート
📍いぬい歯科クリニック
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住所: 大阪府吹田市千里山月ヶ丘16-1
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アクセス: 阪急千里山駅より徒歩7分
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お車でお越しの方へ: 近隣のコインパーキングをご利用ください。駐車料金は当院が負担いたします。
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電話番号: 06-6310-6789
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診療時間:
月〜金 9:00〜12:00 / 13:30〜18:00
土曜日 9:00〜12:00 / 13:30〜16:30 -
休診日: 木曜・日曜・祝日
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