子どもの矯正はどれくらい期間がかかるの?
投稿日:2025年7月30日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
「子どもの矯正って、どれくらい続くの?」
「ずっと装置をつけ続けないといけないの?」
保護者の方からよく聞かれるご質問のひとつが、“矯正にかかる期間”です。
結論からお伝えすると、お子さんの年齢・お口の状態・治療法によって大きく変わります。
特に子どもの矯正には「1期治療」「2期治療」と2段階の治療ステップがあるため、
「期間が長い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、当院では骨格から整える“顎顔面矯正”を中心に行っており、1期治療で終了できるケースも多数あります。
この記事では、年齢ごとの矯正期間の目安や、当院の治療の進め方について詳しくご紹介していきます。
小児矯正には「1期治療」と「2期治療」があります
まず、子どもの矯正は大きく以下の2つに分かれます。
治療名 | 開始時期の目安 | 主な目的 |
---|---|---|
1期治療 | 5〜10歳ごろ(乳歯〜混合歯列期) | 顎の成長誘導・歯列の土台づくり |
2期治療 | 11〜13歳以降(永久歯列期) | 歯をきれいに並べてかみ合わせを整える |
多くの矯正治療は、「1期治療で土台を整えたあと、2期で本格的に歯を動かす」流れになります。
この2段階を経るため、「小児矯正は長い」と感じやすいのが現実です。
しかし当院では、1期治療の段階で“顎の成長”そのものをしっかりコントロールすることで、
2期治療が不要になったり、軽い処置で済むこともあります。
年齢ごとの矯正期間|早く始めたら短くなる?
矯正治療の“期間”は、開始年齢によっても大きく変わります。
以下は、当院でよくみられる年齢別のパターンです。
● 5〜7歳:骨格から整える“予防矯正”のゴールデンタイム
この時期は、顎の成長が活発な時期。
歯並びの乱れの原因となる「顎の小ささ」や「呼吸・舌の使い方のクセ」などにアプローチできる時期です。
この段階で矯正を始めると、1〜2年で装置を外せることもあり、長期的に見るとトータルの治療期間が短くなることがよくあります。
● 8〜10歳:1期治療のメイン期間
永久歯が少しずつ生えてきて、乳歯と混在する“混合歯列期”に入ると、
歯列の幅を広げたり、前歯のねじれやがたつきを整えたりする治療を行います。
この段階でも、装置をしっかり使えば1〜2年で良い変化が見込めます。
● 11〜13歳以降:必要に応じて2期治療へ
この時期になると骨の成長スピードが急激に上がるため、
「成長を利用した矯正」ができる最後のチャンスでもあります。
ただし、1期治療でしっかり骨格と歯列を整えていれば、2期治療をせずに済むこともあります。
実際に当院では「1期で終了」のケースも多く、症例はHPにてご紹介しています。
当院の小児矯正の考え方|“歯並び”よりも“顎の成長”がカギ
一般的な矯正治療では、「歯を並べる」ことが目的になるため、
1期治療だけで終わるケースは少なく、2期治療への移行が前提になっていることが多いです。
しかし当院では、“顎の成長”を正しく導くことこそが本質だと考えています。
-
顎の大きさやバランスを整えずに歯を並べても、将来的に噛み合わせや呼吸に影響が出る可能性がある
-
顎の発育を無視すると、将来“外科手術”が必要になるケースもある
-
骨格から整えることで、自然なかたちで歯が並び、装置の期間も短縮されやすい
このような理由から、当院では**顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)**という手法を中心に、
お子さまの成長に合わせた治療計画を立てていきます。
よく使う矯正装置と期間の目安
当院で使用する矯正装置は、単に歯並びを整えるだけでなく、「顎の成長を正しい方向へ導く」ことを目的としています。
そのため、成長段階やお子さんの症状に応じて装置の種類を変えていきます。
● FAN(フェイシャルアーチ・ナチュラルトレーナー)
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使用期間:6か月〜1年程度
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顎を広げ、呼吸や舌の使い方も改善する装置
● FKO(フレンケル装置)
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使用期間:1〜2年程度
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顎の筋肉の成長バランスを整えることで、自然な歯列へと導く
● MPA(マイオパルスアプライアンス)
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使用期間:半年〜1年半程度
-
舌の位置や呼吸、咀嚼などの機能的な問題にアプローチ
● リンガルアーチ
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使用期間:6か月〜1年程度
-
生え変わり時期の歯の移動をコントロールし、叢生(がたがた)を予防、改善
※装置の使用期間はお子さまの成長スピードや協力度によって変わります。
治療の流れと期間の全体像
実際の治療は、以下のようなステップで進みます。
-
初診相談(5〜10歳が目安)
→ お口の状態・骨格・呼吸・習癖などを総合的に確認 -
診断・治療計画の説明
→ 成長段階やご家庭の希望に応じてオーダーメイドで計画 -
装置の装着・使用開始
→ 平均1〜2年の使用を想定 -
定期的なフォロー(2〜3か月に1回)
→ 成長を追いながら必要に応じて装置の調整・変更 -
12歳頃まで経過観察または2期へ
→ 1期で終了することも、2期(本格矯正)に進むことも
よくあるご質問
Q1:1期治療だけで終わることはありますか?
あります!
特に当院のように「顎の成長」を重視した顎顔面矯正を行う場合、1期で歯並び・骨格ともに整い、2期を行わずに済むケースも少なくありません。
一方で、歯のねじれが強い場合などは2期が必要になることもあります。
Q2:治療の途中でやめたらどうなりますか?
途中で装置の使用をやめたり、通院が不十分だったりすると、治療効果が出にくくなるだけでなく、成長に悪影響が出る可能性もあります。
特に、顎の発育が途中で止まってしまうと、将来的に外科手術が必要になることもあるため、継続的なフォローがとても大切です。
Q3:ずっと装置をつけ続けるんですか?
いいえ。基本的には夜間中心に使用する装置が多く、日常生活の中で無理なく続けられるよう配慮しています。
お子さまの年齢や成長スピードに応じて、装置の種類や使用時間も調整可能です。
まとめ|“いつ始めるか”が矯正期間を左右します
子どもの矯正期間は「年単位」で見る必要がありますが、**大切なのは「どのタイミングで始めるか」**です。
早く始めれば早く終わるという単純な話ではなく、
お子さんの成長段階に合わせて「今できる最善の治療」を選ぶことが最も重要です。
いぬい歯科クリニックでは、5〜6歳からの顎顔面矯正を中心に、12歳まで定期的なフォローを行っています。
「将来的な歯並びのために、今からできることを知りたい」
そんな方は、まずは一度ご相談ください。
治療が必要かどうかも含めて、丁寧にお話しさせていただきます。
▶︎ 実際の症例はこちらからご覧いただけます https://www.inui-dc.jp/menu/child/
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