もしかして睡眠時無呼吸症候群(SAS)かも? ―― セルフチェックで“眠りの危険サイン”を見つけよう
投稿日:2025年6月3日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
本日も睡眠に関するお話です。
「いびきがすごい」って言われたこと、ありませんか?
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朝起きたら頭が重い
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日中に強烈な眠気がくる
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家族に「寝てるとき呼吸止まってたよ」と言われた
こうした症状がある方、**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**かもしれません。
でも実は、自分で気づいている人は全体のわずか10〜20%程度とされており、
外来の患者さんでも「無自覚なまま放置」されているケースがほとんどです。
睡眠時無呼吸症候群とは?
SAS(Sleep Apnea Syndrome)は、寝ている間に何度も呼吸が止まっている状態を指します。
1回の無呼吸が10秒以上、それが1晩に数十〜数百回繰り返されると…
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酸素が不足して脳や身体が回復できない
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深い眠りに入れず、寝ても寝ても疲れがとれない
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慢性的な血圧上昇・動脈硬化・インスリン抵抗性悪化
そして何よりも怖いのは、
脳梗塞・心筋梗塞・突然死のリスクが劇的に高くなるという事実です。
ある研究では、重度の無呼吸を放置すると10年後の生存率が50%を下回るというデータも出ています。
自分でできる!睡眠セルフチェック
まずは、下の8項目でセルフチェックしてみましょう👇
【STOP-BANG質問票】
項目 | はい | いいえ |
---|---|---|
S)いびきをかく | □ | □ |
T)日中に眠気を感じることが多い | □ | □ |
O)誰かに「呼吸が止まってた」と言われたことがある | □ | □ |
P)高血圧の診断を受けている | □ | □ |
B)BMIが25以上 | □ | □ |
A)年齢が50歳以上 | □ | □ |
N)首回りが男性43cm/女性38cm以上 | □ | □ |
G)男性である | □ | □ |
✅ 3点以上該当する場合、SASの中等度〜高リスクと判断されます。
実は「お口や顔」にもサインが出ている
歯科では以下のようなサインから、睡眠の異常に気づくことがあります:
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舌に歯型(圧痕)がついている
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歯ぎしり・くいしばりが強い
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朝起きたときに口が乾いている/喉が痛い
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顎関節がだるい
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目の下にクマがある(特に子ども)
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「寝相が悪い/夜中に何度も寝返りする」と言われる
こうした“ちょっとした変化”を見逃さずにチェックするのも、
私たち歯科の大事な役割です。
当院ではスクリーニング検査が可能です
いぬい歯科クリニックでは、睡眠に不安がある方へ
「Checkme Ring(チェックミーリング)」を使ったスクリーニング検査を行っています。
この小型のリング型デバイスを一晩装着するだけで、
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睡眠中の酸素飽和度(SpO₂)
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脈拍の変動
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無呼吸の傾向を示す「3%ODI(酸素飽和度低下指数)」
などが記録され、ご自身やお子さんの眠りの“質と危険度”を数値で確認できます。
🔍「3%ODI」とは?
3%ODIとは、**「睡眠中に酸素濃度が3%以上下がった回数を1時間あたりで表した数値」**です。
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5以上:軽度の異常
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15以上:中等度
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30以上:重度
この基準は成人向けのもので、
子どもにおいてはさらにシビアな判断が必要です。
👶子どもの場合はどうなの?
子どもの体は酸素不足に非常に弱く、少しの無呼吸でも脳や身体への影響が大きいとされています。
そのため、子どもにおいては:
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ODIが3以上でも“異常”とされるケースがあり、
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一般的にはODI 1~2でも経過観察が必要とされています。
また、日中の症状(集中力の低下、落ち着きのなさ、癇癪など)があれば、検査値が軽度でも積極的な対応が推奨されます。
当院では、必要に応じて顎顔面矯正や呼吸トレーニング、医科連携による精密検査のご提案も可能です。
「たかがいびき」と思わず、お気軽にご相談ください。
まとめ
「呼吸」は生きるための基本。
それが“止まっているかもしれない”としたら、それは体からの大きなSOSです。
まずはセルフチェックから始めて、必要なら気軽にご相談ください。
「いびきくらい…」と放置せず、健康寿命を守るための一歩を踏み出しましょう。
📍いぬい歯科クリニック
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