80歳で20本の歯を残せる人、残せない人の違いとは?
投稿日:2026年5月3日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
今回は8020運動について。
自分の歯で一生涯本当に噛めるのか。不安な方たくさんおられます。
今回はそんな方に少しでも参考になれば幸いです。
8020運動の本当の意味
「8020運動」という言葉を聞いたことはありますか?
これは80歳になっても20本以上、自分の歯を残そうという、日本の歯科医療における大切な目標です。20本の歯が残っていれば、多くの食べ物をしっかり噛むことができ、食事の楽しみだけでなく、健康寿命の延伸にもつながるといわれています。
近年では8020達成者は増えてきていますが、それでも達成できない方も多くいます。そして、ここで大切なのは『「20本残れば安心」という単純な話ではない』ということです。
20本残っていても、本当に噛めるとは限らない
例えば、80歳で20本の歯が残っていたとしても、その中に奥歯(大臼歯)がほとんど残っていない場合、しっかり噛む力は大きく低下します。上下に入れ歯を使いながら20本を維持しているケースもあります。
つまり、本当に大切なのは単に本数ではなく、
「どの歯が、どんな状態で残っているか」
ということです。
さらに考えるべきは、今の時代、80歳はゴールではありません。平均寿命を考えると、その先10年、20年と人生は続きます。90歳、100歳まで自分の歯で食べられるかどうか――そこまで見据えて考えることが大切です。
歯が残る人と、失う人の違い
「自分は歯が弱いから…」
「親も歯が悪かったから遺伝かな…」
そう感じている方も多いかもしれません。
しかし、日々診療していて感じるのは、
歯の寿命を決めるのは遺伝だけではなく、“選択と習慣の積み重ね”だということです。

・痛くなってから歯医者に行くのか
・悪くなくても定期的に通うのか
・目先の安さだけで治療を選ぶのか
・長く歯を残す視点で治療を選ぶのか
この小さな選択の差が、10年後、20年後に大きな差になります。
八重歯のおじいちゃん、おばあちゃんをあまり見かけない理由
少し面白い視点ですが、診療していていつも感じることがあります。
八重歯のおじいちゃん、おばあちゃんって、あまり見かけません。
若い頃にはチャームポイントだった八重歯も、年齢を重ねる頃には失われていることが少なくありません。
これは、歯並びの乱れによって磨き残しが増えたり、噛む力のバランスが偏ったりして、虫歯や歯周病、歯の破折につながりやすくなるからです。
歯並びは見た目だけではなく、歯の寿命にも深く関わる要素なのです。
一番大切なのは「定期的に通う習慣」
ここで一番お伝えしたいのは、
歯科医院は、痛くなったら行く場所ではない
ということです。
私はむしろ、
美容院のように、悪くなくても定期的に通う場所
だと考えています。
髪を整えるように、歯も定期的に整える。
小さな変化を早く見つけ、悪くなる前に守る。
この習慣が、将来の大きな差になります。
しかも、3ヶ月に1回のメンテナンスでも年間の費用は1万円台前半ほど。インプラント1本が50万円以上かかることを考えると、これほどコストパフォーマンスの高い健康投資はなかなかありません。
8020を達成するために、本当に大切なこと
ただし、ここで大事なのは
「通っていれば安心」ではない
ということです。
もっと大切なのは、
将来を見据えた提案ができる歯科医師がいるかどうか
です。

例えば、定期的にメンテナンスに通っているのに、
・毎回どこかに虫歯が見つかる
・歯周病が少しずつ進行している
・歯ぐきからずっと血が出続けている
・治療した歯を何度もやりかえている
こういった状態が続いているとしたら、一度立ち止まって考える必要があるかもしれません。
本来のメンテナンスとは、単に歯石を取ったり、お掃除をしたりするだけではありません。
「なぜ悪くなるのか」を考え、
「どうすれば長く残せるのか」を提案すること。
そこまで含めて、本当の予防です。
虫歯の原因は何なのか。
歯周病が進行する理由は何なのか。
歯ぎしりや食いしばりなど、力の問題はないのか。
歯並びや噛み合わせは将来どう影響するのか。
そういった背景まで診て、10年後、20年後を見据えて提案できるかどうかで、歯の未来は大きく変わります。
8020はゴールではなく通過点
80歳で20本残すことは、とても素晴らしい目標です。
でも本当に目指したいのは、
90歳、100歳になっても、自分の歯で食べ、笑い、会話を楽しめる人生
ではないでしょうか。
8020は、そのための通過点です。
歯は、一度失うと元には戻りません。
だからこそ、今の選択が未来をつくります。
「通うこと」
そして
「どこに、誰のもとへ通うか」
この2つを大切にしていただければと思います。
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