セラミックは一生もつの?
投稿日:2026年6月18日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは いぬい歯科クリニック 院長の乾です。
「セラミックにしたら一生もちますか?」
これは患者さんからよくいただく質問の一つです。
結論からお伝えすると、
セラミックは非常に優れた材料ですが、一生もつことを保証するものではありません。
ただし、ここで大切なのは、
セラミックそのものがダメになるのか、それともセラミックを支える歯がダメになるのか
という視点です。
実はこの違いを知ることが、歯を長く残す上でとても重要になります。
セラミックは非常に優れた材料です
セラミック治療には多くのメリットがあります。
- 見た目が自然で美しい
- 汚れが付きにくい
- 劣化しにくい
- 適合精度が高い
- 虫歯の再発リスクが低い
特に私が大きなメリットだと感じているのは、
二次カリエス(やりかえ虫歯)が起こりにくいこと
です。
保険治療では、詰め物や被せ物の劣化に伴い、隙間から虫歯が再発することがあります。
そして再治療になるたびに歯は削られます。
削る
↓
再発する
↓
さらに削る
この繰り返しによって、神経を取り、最終的には抜歯へ近づいていくケースも少なくありません。
一方でセラミック治療では、適合精度や材料の特性から虫歯の再発リスクを大きく下げることができます。
そのため私は、
神経に近い歯や、次に虫歯になると神経を取る可能性が高い歯には、セラミック治療をおすすめすることがあります。

それでもセラミックがダメになることはあります
では、なぜセラミック治療をしたのに問題が起こるのでしょうか。
患者さんの中には、
「高いお金を払ったのにダメになった」
と感じる方もいらっしゃいます。
しかし実際には、
セラミックが悪かったのではなく、セラミックを支えている土台に問題があった
というケースが少なくありません。
例えば、
- 歯ぎしりや食いしばり
- 噛み合わせの不調和
- 歯周病
- 清掃不良
- 口呼吸
- 生活習慣
こうした問題が残っていると、どれだけ良い材料を使っても長期的にはトラブルが起こります。
例えるなら、
傾いた家の柱だけ新品にするようなもの
です。
柱はきれいになります。
しかし基礎が傾いたままなら、再び問題が起こる可能性があります。
セラミックの寿命を左右するのは根管治療の質
もう一つ大切なのが、
神経の治療(根管治療)
です。
どれだけ美しいセラミックを入れても、
- 根の中に細菌が残っている
- 根管治療が不十分
- 根の先に炎症がある
こうした状態では、再治療が必要になることがあります。
また、
虫歯の取り残しがある状態で被せ物をすると、後から大きな問題になることもあります。
つまり、
セラミックの予後は、セラミックだけで決まるわけではない
のです。
当院が大切にしていること
当院では、
「どの材料を入れるか」
だけではなく、
「なぜその歯が悪くなったのか」
を大切にしています。
虫歯だったのか。
歯周病だったのか。
歯ぎしりだったのか。
噛み合わせだったのか。
生活習慣だったのか。
原因によって、本当に必要な治療は変わります。
また、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を活用しながら、
- 虫歯の取り残しを減らす
- 精度の高い根管治療を行う
- より適合の良い補綴治療を目指す
ことにも力を入れています。

本当に大切なのは「なぜ悪くなったのか」
私はセラミック治療がとても良い治療だと思っています。
しかし、
セラミックを入れることがゴールではありません。
本当に大切なのは、
- なぜその歯が悪くなったのか
- 今後どうなりたいのか
- そのために何が必要なのか
を考えることです。
良い材料を入れることも大切です。
でも、それ以上に大切なのは、
その歯が長く機能する環境を整えること。
だから当院では、
虫歯や歯周病だけでなく、
歯ぎしりや噛み合わせ、生活習慣まで含めて考えながら、10年後、20年後を見据えた治療をご提案しています。
セラミック治療を検討されている方は、ぜひ「材料」だけでなく、「なぜ悪くなったのか」という視点も大切にしてみてください。
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